所属する事業部で飲み会

所属する事業部で飲み会をすることになり、僕は幹事を引き受けた。これが初めてではないし珍しいことでもない。仕切るのは苦手ではなかった。ただ、人間関係に気を配ることにはそれほど適正はなかった、というお話です。会場を決め予算も決め、予約も完了したときに、参加者のうち仲の良い友人Aが言った。「えぇ? あいつ(B)も来るの? それなら俺は行くのやめる」と。Bは部署も違い、僕とはそれほど接点のない人間であった。部署も違う。ただ、何かをするときの集団によくにいるので「なんとなく」メンバーに入れていたのだ。AとBが仲が悪いということは知らなかった。だが、わざわざそういう申し出があったのだから、Bをメンバーから外すのにそれほど躊躇はなかった。誘わなければいいだけの話である。それで別に問題はないと思っていた。そして飲み会は終わり、それなりに皆を満足させたと思っていた。だが、そのあと、僕は意外な自分の評判を聞くことになる。「あの幹事をやった僕さん、ひどいよね」「ほんとだよな。Bさんだけ誘わないなんて、どういうつもりなんだろうな」「Bさん、怒ってたぞ」まあ、よくある話ではある。ある程度のことは覚悟の上だ。こちらも人数の都合があってね、という言い訳も用意しておいた。だが、問題はそこではなかった。その僕の悪口を言って回っているのが、最初にBを誘うなと言ってきたAであったことである。それを知った僕は、もう二度と幹事などやらないと、心に誓ったのであった。